渡金(読み)わたしがね

精選版 日本国語大辞典 「渡金」の意味・読み・例文・類語

わたし‐がね【渡金】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 耳盥(みみだらい)の上にかけ渡して、鉄漿(はぐろめ)の具をのせる銅または真鍮の板。渡し。
    1. 渡金<b>①</b>〈吉原美人合〉
      渡金〈吉原美人合〉
    2. [初出の実例]「京、さかいの町屋へあつらへける道具には〈略〉はんざう、くし箱、わたしがね」(出典:御伽草子・猿の草子(室町末))
  3. 火の上にかけ渡して、魚肉などをあぶるのに用いる鉄製格子状の網。鉄灸(てっきゅう)
    1. [初出の実例]「わたしかねに火花ちらすや桜鯛」(出典:俳諧・難波草(1671))
  4. (ます)の上に斜めにかけ渡した鉄線。つる。
    1. [初出の実例]「梁(つる) 亦弦の字を用ふ、俗云渡金(ワタシガネ)量の角懸けて互したる鉄梁なり」(出典成形図説(1804‐06)一四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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