鉄線(読み)てっせん

精選版 日本国語大辞典 「鉄線」の意味・読み・例文・類語

てっ‐せん【鉄線】

〘名〙
① 鉄を細長く伸ばして線状にしたもの。また、はりがね。
※航米日録(1860)四「二分許の鉄線に接続して屋上に貫く是除雷の為め設ると云ふ」
※西京繁昌記(1877)〈増山守正〉初「若し鉄線と銅片とを以て相連ぬれば、電気自ら鉄線の間に伝はり」 〔種樹書‐果〕
② 特に、鉄道の線路をいう。
※西洋事情(1866‐70)〈福沢諭吉〉外「鉄道の改革を始め鉄線を太くし軌道の幅を定め」
キンポウゲ科の落葉性つる植物。中国原産で、観賞用として栽植される。葉は一~二回三出の羽状複葉で対生し、長い葉柄で他物に巻きつく。各小葉は卵状披針形で長さ二~四センチメートル。初夏、葉腋から長い花柄をのばし白または紫色の花を単生する。花は径五~八センチメートル。萼片は六枚で花弁状。雄しべ暗紫色。漢方では根を威霊仙(いれいせん)といい、痛風薬に用いる。漢名、鉄線蓮鉄線葛。《季・夏》
※俳諧・山の井(1648)夏「夏草花 芍薬 美人草 一八射干 雁緋 鉄線〈略〉てっせんは花火の花のたぐひかな」
④ 紋所の名。③の花を図案化したもの。鉄線、菊鉄線などがある。
随筆山中人饒舌(1813)下「近史人物〈略〉曲折無勢、斡旋無力、与鉄線蘭葉諸描法不同」

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デジタル大辞泉 「鉄線」の意味・読み・例文・類語

てっ‐せん【鉄線】

鉄の針金鉄条。「有刺鉄線
キンポウゲ科の落葉つる植物。茎は細く堅い。葉は卵形の小葉からなる複葉。夏、白または紫色で花びら状のがくを6枚もつ大形の花を開く。中国の原産で、古く日本に渡来し、観賞用に栽培される。クレマチス。鉄線蓮。鉄線花
紋所の名。2の花を図案化したもの。
[類語]針金ワイヤ鉄条銅線鉄条網

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動植物名よみかた辞典 普及版 「鉄線」の解説

鉄線 (テッセン)

学名Clematis florida
植物。キンポウゲ科の落葉木質つる植物,園芸植物,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

普及版 字通 「鉄線」の読み・字形・画数・意味

【鉄線】てつせん

針金。

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