化学辞典 第2版 「温度因子」の解説
温度因子
オンドインシ
temperature factor
デバイ-ワラー(Debye-Waller)因子ともいう.結晶によるX線回折強度は,構成原子の熱振動が電子密度分布を広げるので,回折角の大きい反射ほど減衰する.このとき,静止原子に対する原子散乱因子fは実在原子では,
f・e-M = f・e-B(sin θ/λ)2
で置き換えられる.e-M{または e-2M}を温度因子またはデバイ-ワラー因子という.MはP.J.W. Debye(デバイ)の特性温度に関係する.反射面に垂直方向の平均2乗変位をとすると,
となる.Bは温度因子に関するパラメーターであるが,これを温度因子とよぶ場合も多い.[別用語参照]X線散乱
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報