渭浜村(読み)いのはまむら

日本歴史地名大系 「渭浜村」の解説

渭浜村
いのはまむら

[現在地名]土佐市宇佐うさ渭浜いはま

宇佐郷の一村。東は宇佐村、西は福島ふくしま村。近世前期に開けた純漁村(浦分)で、通常は渭浜または渭浜浦という。宝永初年成立の「土佐州郡志」は「伝云六十年前沢六衛門者新闢此地、于今不徴租税、東西帯海、四方各三町許、戸凡五拾二、船二拾余」と記す。ここに記す戸数・船数は宝永四年(一七〇七)の地震以前のものであろう。元禄地払帳には「渭浜新田」とあり高三三石七斗余、うち一二石八斗余は免許地、二〇石八斗余は貢物地。元禄郷帳には不記載、寛保郷帳には「福島村枝郷渭ノ浜」とあるが高は零。

淡輪四郎兵衛の「万覚並びに状の跡書共」(淡輪記)に、明暦二年(一六五六)一月二七日のこととして、「同日丑之刻渭之浜庄屋十衛門主家に火をつけ、せがれ所兵衛をねくびかき則ちじがい仕り候」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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