湯峯王子跡(読み)ゆのみねおうじあと

日本歴史地名大系 「湯峯王子跡」の解説

湯峯王子跡
ゆのみねおうじあと

[現在地名]本宮町湯峯

東光とうこう寺の境内にあり、熊野九十九王子の一。県指定史跡。正中三年(一三二六)以前の成立とされる熊野縁起(写、仁和寺蔵)に「温峯童子」として「虚空蔵菩薩、赤色□□□□、波羅門僧正顕給」とみえ、熊野本宮参拝前に湯峯の湯で潔斎する湯垢離が行われるようになって、王子が設けられたと考えられる。文明五年(一四七三)の「九十九王子記」にも「湯峯王子」がみえる。江戸時代には熊野本宮の境外末社で本宮の管理下に置かれ、「続風土記」に「王子権現社領五石社堂共に宮の修造といふ、社役は本宮西座の内より勤む」とあるが、明治三六年(一九〇三)五月の火災では東光寺とともに焼失した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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