朝日日本歴史人物事典 「源親子」の解説
源親子
鎌倉中期の女房。後嵯峨天皇の乳母。大納言二位と称す。内大臣源通親の娘。兄通方と共に後嵯峨の養育に当たり,即位後は,内裏や院中の奥向きのことを取り仕切った。別の兄定通が後嵯峨の外戚として政治の顧問となり,内裏や院中の表向きのことを統括し,親子は定通と共に後嵯峨を後見したといえる。重要案件を後嵯峨に取り次ぐ立場にあり,摂関家や関東申次の西園寺家などの重臣と後嵯峨との交渉のほとんどを申し次ぎ,そうした役割から人事に深く介入した。親子が後嵯峨の仰せを承って出した女房奉書である「二品奉書」は院宣と同様に扱われ,重事や人事に関して数多く確認できる。正嘉1(1257)年3月3日出家。
(秋山喜代子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報