滝ノ川村
たきのがわむら
[現在地名]嬉野町滝之川
中村川の中流左岸沿いの山間に位置し、釜生田村の南西にあたる。対岸は森本村で、上流は宮野村となる。滝野川村とも書く。字小甚吾に滝之川城跡があり、明(妙)光院殿の居城と伝える(五鈴遺響、伊勢名勝志)。暦応三年(一三四〇)五月一五日付の涅槃像裏書(龍泉寺文書)に「勢州一志郡滝野河」とみえ、現松阪市愛宕町の龍泉寺の前身の寺が所在したとされる。同寺は上之坊妙光院・中之坊慈眼寺・下之坊上福院・愛宕権現に分れ、応仁―文明(一四六七―八七)の頃子院坊舎を多く有し、北畠氏の祈願所として寺領を寄付されていた(五鈴遺響)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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