滝野川村(読み)たきのがわむら

日本歴史地名大系 「滝野川村」の解説

滝野川村
たきのがわむら

[現在地名]北区滝野川一―七丁目

王子おうじ村の南にあり、西は下板橋しもいたばし(現板橋区)、南は巣鴨すがも(現豊島区)。東を日光御成道、南を中山道が通る。北側を王子村と境を接して流れる石神井しやくじい(王子川)はかつて急流で、この急流の水音が滝のように響いていたといい、村の名称はこれより起こったのではないかと伝えられる(風土記稿)。「源平闘諍録」巻五第四話に治承四年(一一八〇)九月一二日のこととして「豊島御庄滝ノ河」に源頼朝が着陣したとあり、豊島としま庄のうち。同庄の在地領主豊島氏の所領であったと考えられる。平治元年(一一五九)に源義朝に従う豊島清元は、平氏に従う葛貫家通を当地で誅殺している(山内首藤系図)


滝野川村
たきのがわむら

[現在地名]美里町滝ノ川

貴志きし川南岸、猿川さるかわ庄の南東隅に位置し、東はしも村、南は長峰ながみね山脈を境に有田郡に接する。長峰の北側山腹より東西二つの谷に分れ、東滝野川・西滝野川が流れる。東滝野川の天狗てんぐ岩の所にいぬ滝という大滝があり、村名の由来となったという(続風土記)。天正二〇年(一五九二)一二月一四日の猿川庄収納支配日記(又続宝簡集)に「八斗九升 滝川之庄屋造用」とあり、当時猿川庄にいた三人の庄屋のうちの一人がこの地に住したことが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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