日本大百科全書(ニッポニカ) 「漢籍解題」の意味・わかりやすい解説
漢籍解題
かんせきかいだい
漢文学者桂湖村(かつらこそん)の著書。1冊。1905年(明治38)明治書院刊行。漢籍を研究する者が必要とする中国歴代の書籍のうち、わが国で一般に流布(るふ)しているものを選び、「題名」「作者」「大意」「伝来」「体裁」「注釈・参考」に分けて、詳細な解題を加えたもの。ほかに「評論」の項を設けて内容批判に及んだ場合もある。「伝来」の項では、わが国におけるその書の伝来に注意して記述がなされている。内容は、経、史、子、集、総集、政法、地理、金石、目録、小学、修辞、類書、雑書、叢書(そうしょ)の部からなる。記述は公平であり、ほかに類書のなかったこともあって久しく研究者や読書人の間に活用された。
[村山吉廣]
『『漢籍解題』復刻本(1974・名著刊行会)』