精選版 日本国語大辞典 「濛々」の意味・読み・例文・類語
もう‐もう【濛濛・蒙蒙・矇矇・朦朦】
- [ 1 ] 〘 形容動詞ナリ活用タリ 〙
- ① 霧や小雨、水しぶきなどであたりが薄暗いさま。暗く閉ざされた感じであるさま。また、煙や塵埃などのたちこめるさま。
- [初出の実例]「春雨濛濛江楼黒、悠悠雲樹尽微茫」(出典:文華秀麗集(818)上・江楼春望〈小野岑守〉)
- 「二の丸あたりから、黒けむりがもうもうと立ちのぼっており」(出典:坂崎出羽守(1921)〈山本有三〉一)
- [その他の文献]〔楚辞‐哀時命〕
- ② 混沌として分ちがたいさま。
- [初出の実例]「物生始めは蒙々としたものぢゃ程に」(出典:土井本周易抄(1477)一)
- ③ 意識の朦朧(もうろう)としているさま。ぼんやりとしているさま。
- [初出の実例]「其日、将門急に脚の病労て事毎に朦朦たり」(出典:将門記(940頃か))
- ④ 事理を判断する心の暗いさま。愚かなさま。
- [初出の実例]「朝廷に居た時は、文盲て蒙々として分別もなかったか」(出典:史記抄(1477)一六)
- [その他の文献]〔班固‐幽通賦〕
- ⑤ 物事の程度の強くさかんであるさま。
- [初出の実例]「Mǒmǒ(マウマウ) セイセイト シテ」(出典:ロドリゲス日本大文典(1604‐08))
- ① 霧や小雨、水しぶきなどであたりが薄暗いさま。暗く閉ざされた感じであるさま。また、煙や塵埃などのたちこめるさま。
- [ 2 ] 〘 名詞 〙 病気。
- [初出の実例]「御もうもうの御きたう申よし申」(出典:御湯殿上日記‐文明一二年(1480)正月二六日)