為出だす(読み)シイダス

デジタル大辞泉 「為出だす」の意味・読み・例文・類語

し‐いだ・す【出だす】

[動サ四]
しいず1」に同じ。
さかな警策かうざくに―・されたり」〈宇津保・内侍督〉
しいず2」に同じ。
討手大将と聞えしかども、させる―・したることもおはせず」〈平家・五〉
しいず3」に同じ。
「両寺の大衆だいしゅ額打論がくうちろんといふこと―・いて、互ひに狼藉らうぜきに及ぶ」〈平家・一〉
世の中で初めてする。また、考え出す。考案する。
「安部川紙子に縮緬ちりめんを―・し、…この所の名物となり」〈浮・永代蔵・三〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「為出だす」の意味・読み・例文・類語

し‐いだ・す【為出】

  1. 〘 他動詞 サ行四段活用 〙
  2. (食べものなどを)ととのえてさし出す。また、作り出したり考えたりする。
    1. [初出の実例]「里にて、北面よりしいたしてはいかがはせん」(出典:能因本枕(10C終)三〇七)
  3. 行為にあらわす。行なう。しでかす。しいず。
    1. [初出の実例]「左大将殿のすみ給ふかつらのわたりなん、めづらかなる心ばへしいだされて、おもしろく侍る」(出典:宇津保物語(970‐999頃)祭の使)
  4. ある事をしはじめる。しいず。
    1. [初出の実例]「いか計の事かし出すべきとて〈略〉をかしげに思合ける」(出典:米沢本沙石集(1283)七)

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