デジタル大辞泉 「北面」の意味・読み・例文・類語
きた‐おもて【北面】
「宮より―、大きなる山のほとり」〈宇津保・吹上上〉
2 宮中や寝殿造りの家などで、北向きの部屋。また、客間に対して内輪の部屋。
「南の院の―にさしのぞきたれば」〈枕・二七八〉
3 院の御所を警固する武士の詰め所。また、そこに詰める武士。
「西面、―の者ども」〈宇治拾遺・一二〉
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…史実をみても,日光東照宮は江戸から真北に当たる霊廟であり,〈北の政所(まんどころ)〉〈北の方(かた)〉〈北の対(たい)〉〈北の台(だい)〉などの尊称は貴人(大臣,大将,公卿など)の妻室の居所から出た呼び名であった。また,〈北面(きたおもて)〉とは,女性のいる勝手口(奥向き,ないしょの意もある)をさす。たとえば,《枕草子》に,宮仕えしている女房の局(つぼね)に通ってくる恋人の男がそこで食事するのははなはだみっともないと叙した文章の末尾に〈里などにて,北面よりいだしては,いかがはせん。…
…北面とは,院の御所の北面を詰所として上皇の側近に仕え,身辺の警衛あるいは御幸に供奉(ぐぶ)した地下(じげ)の廷臣,衛府の官人らをいう。院司の一つで院の北面とも。…
※「北面」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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