烏帽子子(読み)エボシゴ

デジタル大辞泉 「烏帽子子」の意味・読み・例文・類語

えぼし‐ご【×帽子子】

元服のとき、烏帽子親から烏帽子をかぶせてもらい、烏帽子名をつけてもらう者。元服子

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「烏帽子子」の意味・読み・例文・類語

えぼし‐ご【烏帽子子】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 昔、武家の男子で、元服の際、烏帽子親に烏帽子をかぶせてもらい、烏帽子名をつけてもらった者。元服子。⇔烏帽子親
    1. [初出の実例]「依阿保守真烏帽子子、彼地を限永代譲与処也」(出典高野山文書‐嘉応元年(1169)一〇月一八日・阿保行宗田地荒野譲状)
  3. 他からもらい受けた子。養子
    1. [初出の実例]「むかしが今に至るまで、びくにんのゑほしごを取る事は、是ぞはじめの祝言なる」(出典:虎明本狂言・比丘貞(室町末‐近世初))

烏帽子子の語誌

( 1 )中世の武家社会には、元服の儀式にあたって童名を廃して烏帽子名をもらうことが行なわれ、その際烏帽子親の名前の一字をもらうことも多かった。
( 2 )近世以降、このような習俗は広く民間にもいきわたり、近年まで行なわれた地域もあり、「えぼしご」や「えぶしご・ゆぶしこども・よぼしおや」などの語が用いられた。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の烏帽子子の言及

【烏帽子親】より

…中世武家社会において男子が成人に達して元服の儀式を行う場合,特定の人に依頼して当人の頭に烏帽子をかぶせる役を務めてもらうのが通例とされていた。これを烏帽子親といい,当人を烏帽子子とよんだ。その際童名を廃して烏帽子親により名が付けられる例が多かった。…

※「烏帽子子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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