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烏帽子親 えぼしおや

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

烏帽子親
えぼしおや

儀礼的親子関係の一種で,男子が成人に際して立てる仮親。元服親ともいう。元来は武家社会で元服をするときに,初冠と称して烏帽子を着ける儀式を行なったが,その際有力者に依頼して烏帽子をかぶせてもらった。

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デジタル大辞泉の解説

えぼし‐おや【×帽子親】

武家で男子が元服するとき、烏帽子をかぶせてやり、烏帽子名をつける仮の親。元服親。

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百科事典マイペディアの解説

烏帽子親【えぼしおや】

男子の成年に際して立てる仮親。兵児親(へこおや)とも。成年式に立ち会い,親子の契りを結び,将来の生活の保護に当たる。初めは本家筋を頼んだが,次第に村の有力者が選ばれるようになった。
→関連項目鉄漿親元服名付親袴着

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世界大百科事典 第2版の解説

えぼしおや【烏帽子親】

元服儀式の際の加冠者。中世武家社会において男子が成人に達して元服の儀式を行う場合,特定の人に依頼して当人の頭に烏帽子をかぶせる役を務めてもらうのが通例とされていた。これを烏帽子親といい,当人を烏帽子子とよんだ。その際童名を廃して烏帽子親により名が付けられる例が多かった。これを烏帽子名という。《吾妻鏡》治承4年(1180)10月2日条に源頼朝は乳母小山政光妻(寒河尼)の依頼により息男の元服に烏帽子親となったとある。

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大辞林 第三版の解説

えぼしおや【烏帽子親】

仮親かりおやの一。元服する男子に烏帽子をかぶらせ、烏帽子名をつける人。社会的に有力な人を頼むことが多い。元服親。 ↔ えぼしご 「 -もなければ、手づから源九郎義経とこそ名乗り侍れ/平治 下・古活字本

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

烏帽子親
えぼしおや

男子成年時にたてる仮の親。元服親、ヘコ親など各種の名称がある。ヨボシオヤ、ユブシオヤ、エブシオヤ、エベスオヤとなまる所もある。子のほうは烏帽子子(えぼしご)。烏帽子は古代の役人が用いた圭冠(けいかん)の系統を引く被(かぶ)り物で、公家(くげ)社会では元服に際し、初冠(ういこうぶり)といって冠、烏帽子を初めて頂く儀式が行われた。中世武家社会でも、元服に烏帽子をかぶせる役は烏帽子親とよんで重視され、元服した当人(冠者(かんじゃ))と仮の親子関係を結ぶ習わしがおこった。そのとき烏帽子親の名前の一字をもらって名のりを定める風もみられた。やがて、16世紀ごろからは烏帽子をかぶる習慣は衰えたが、烏帽子親の名称は元服祝いが繰り返されるたびに残り、今日に及んでいる。この仮親には一般に村内の有力者を求める傾向があり、これと親方(親分)・子方(子分)の関係、すなわち擬制的親子関係を結ぶことになる。双方の間には庇護(ひご)と奉仕の互酬関係が一生にわたって続けられるのを常とする。なお、男子の烏帽子親に対して女子の成年時の仮親を鉄漿(かね)親というが、女子の場合をもエボシオヤとよぶ所がある。[竹田 旦]

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世界大百科事典内の烏帽子親の言及

【一字書出】より

…古文書の一様式。元服のとき烏帽子親(えぼしおや)がその子に命名する際に,自己の実名の1字を与え,その証拠に,狭義にはその1字のみを自身記して与えた文書。名字書出の一形式。…

【親分・子分】より

…ムラ人が親分を得てその子分となる機会は,人生の通過儀礼の節目ごとに見いだされえた。出生時に頼む〈取上親〉〈名付親〉,また病弱な子を儀礼上いったん捨て子する形をとり,あらかじめ頼んでおいた人に〈拾い親〉になってもらうことによって健康な子になると考える風習もあったが,最も一般的には,成人するとき男は烏帽子親(えぼしおや),女は鉄漿親(かねおや)を頼み,また結婚するときに仲人親を頼むというように,仮親に依存することであった。ムラや生まれ育ったマチを離れ,生家を離れて他のマチの商家や職人の家の家長を親方とすることは,子飼い住込みの丁稚(弟子)奉公人となるときに,その家の子方となることを意味した。…

【名付親】より

…近親者,一族の長老,主筋の人などに依頼する例が多い。 成人名の場合は元服親,烏帽子親とほぼ同義で,名替親ともいった。この呼称は元服後彼らによって幼名に替えて成人名を与えられたことによるものであろう。…

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