飲み物がわかる辞典 「焙燥」の解説
ばいそう【焙燥】
麦から麦芽を作る際に、発芽したところでその進行を止めるために加熱によって乾燥させること。から煎りしたり温風をあてたりして行うが、コーヒー豆などの焙煎ほど温度を上げず、ビールに用いるものでは、もっとも一般的な淡色麦芽なら80℃くらいまでで焦がさない程度に加熱し、黒ビールなどに用いる濃色麦芽でも120℃くらいまでで焦げ色がつく。このほか、一般的な濃色麦芽をこえる高温で加熱する「カラメル麦芽」や「チョコレート麦芽」、淡色麦芽よりやや高い90℃程度まで上げて加熱するやや色の濃いエールなどに用いるものなどがある。麦芽の酵素が活性を保てるのは90℃で焙燥するものまでで、それ以上の温度で加熱した麦芽はでん粉を糖化する働きはしなくなり、色や風味の特徴を持たせるために使う。⇒ビール、製麦