無役(読み)むやく

精選版 日本国語大辞典 「無役」の意味・読み・例文・類語

む‐やく【無役】

〘名〙
役目のないこと。
※雑俳・和歌みどり(1723)「ひろびろと・かがし無役になる枯野
課役のないこと。
親元日記‐文明一〇年(1478)六月二一日「就御作事要脚之儀、酒屋出倉無役所々へ御借用」
江戸時代田畑を所持せず賦役を負担しなかった農民
地方凡例録(1794)六「宿場出火拝借定法〈略〉人足馬両役屋敷・無役屋敷何けんと、四段に割、両役勤屋敷は両方へ入る」

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デジタル大辞泉 「無役」の意味・読み・例文・類語

む‐やく【無役】

役目のないこと。「無役旗本
課役のないこと。無税

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の無役の言及

【旗本】より

…寛政期の旗本の知行(ちぎよう)形態は知行取の人数2264人(43%),知行高262万7540石(80%)(図1),蔵米取の人数2941人であり,蔵米高の内訳は切米取62万1525俵(2836人分)が大部分を占め(図2),現米取と扶持取は少である。 旗本の幕府勤仕は有職を原則としたが無役の者も少なくない。有職の旗本は武事系の番方(ばんかた)と文事系の役方に分かれ(番方・役方),はじめは番方が重視されたが,泰平のためしだいに役方が重視されるにいたった。…

※「無役」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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