かれ‐の【枯野】
- 〘 名詞 〙
- ① 草木の枯れはてた野原。冬枯れの野原。枯野原。からの。《 季語・冬 》
- [初出の実例]「かりにくる人もこそあれ冬草のかれ野の雉のありかくるしも」(出典:高遠集(1011‐13頃))
- 「旅に病(やん)で夢は枯野をかけ廻(めぐ)る」(出典:俳諧・芭蕉翁追善之日記(1694))
- ② =かれのがさね(枯野襲)
- [初出の実例]「唐衣は赤色。藤。夏は二藍。秋はかれ野」(出典:枕草子(10C終)補遺)
- 「われもかう乱れ織りたる枯野の御狩衣」(出典:増鏡(1368‐76頃)九)
- ③ 「かれのみ(枯野見)」の略。
- [初出の実例]「もふうそもむす子かれ野におよぶ也」(出典:雑俳・柳多留‐一六(1781))
から‐の【枯野】
- [ 1 ] 〘 名詞 〙 =かれの(枯野)①
- [初出の実例]「汽車のなかに一人となりて我は居り遠くはろけく枯野(カラノ)はあらむ」(出典:太虗集(1924)〈島木赤彦〉満州)
- [ 2 ] 記紀に見える、高木を材料としてつくられた船の名。「古事記」によると仁徳帝の代に、「日本書紀」では応神帝の代につくられたという。
- [初出の実例]「加良怒(カラノ)を 塩に焼き 其が余り 琴に作り」(出典:古事記(712)下・歌謡)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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