無水酸(読み)ムスイサン(その他表記)acid anhydride

デジタル大辞泉 「無水酸」の意味・読み・例文・類語

むすい‐さん【無水酸】

酸の化学式から水分子を除いた形で表せる化合物。水と反応して酸を作る酸化物

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精選版 日本国語大辞典 「無水酸」の意味・読み・例文・類語

むすい‐さん【無水酸】

  1. 〘 名詞 〙 無機酸から水分子を除いた形の酸化物。また、水あるいは塩基と化合して酸あるいはその塩を生じる酸化物の総称無水炭酸無水珪酸無水硫酸など非金属の酸化物が相当する。〔稿本化学語彙(1900)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「無水酸」の意味・わかりやすい解説

無水酸
むすいさん
acid anhydride

酸の化学式から1分子またはそれ以上の水を失った形で書くことのできる酸化物、さらにいえば水と作用して酸を形成する酸化物をいう。たとえば炭酸H2CO3に対する二酸化炭素CO2が無水炭酸、ケイ酸H4SiO4に対する二酸化ケイ素SiO2無水ケイ酸、硫酸H2SO4に対する三酸化硫黄(いおう)SO3が無水硫酸、亜ヒ酸H3AsO3に対する三酸化二ヒ素As2O3無水亜ヒ酸、クロム酸H2CrO4に対する三酸化クロムCrO3無水クロム酸、のようにいうことがある。ただしこの用語は正式の用語ではないし、水を含まない100%の酸という場合と紛らわしいので使わないことが望ましい。有機酸の場合には一般に酸無水物といい、無水酸とはいわないが、これらはたとえば無水酢酸(CH3CO)2Oあるいは無水フタル酸C6H4(CO)2Oなどのようによぶ。

[中原勝儼]

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