無機酸(読み)ムキサン

デジタル大辞泉 「無機酸」の意味・読み・例文・類語

むき‐さん【無機酸】

炭素を除く非金属元素成分とする酸。硫酸硝酸燐酸塩酸など。ふつう炭酸も含める。鉱酸。⇔有機酸

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精選版 日本国語大辞典 「無機酸」の意味・読み・例文・類語

むき‐さん【無機酸】

  1. 〘 名詞 〙 炭素原子を含まない酸。塩酸・硫酸・硝酸・燐酸など。ただし炭酸だけは、炭素原子を持つが無機酸として扱われる。有機酸に対する語。〔工学字彙(1886)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「無機酸」の意味・わかりやすい解説

無機酸 (むきさん)
inorganic acid

有機酸に対する語で,無機化合物の酸をいう。鉱酸mineral acidともいう。硫酸H2SO4リン酸H3PO4,ホウ酸H3BO3などのオキソ酸,塩酸HCl,シアン化水素酸HCN,ヘキサフルオロリン酸HPF6などの水素酸総称対語である有機酸は,カルボキシル基または水酸基を有する有機化合物である。
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化学辞典 第2版 「無機酸」の解説

無機酸
ムキサン
inorganic acids

鉱酸ともいう.有機酸に対する用語.有機酸が炭素を含む酸であるのに対し,炭素以外の,塩素硫黄窒素,リンなどの非金属を含む酸や,過塩素酸HClO4,次亜塩素酸HClO,硫酸H2SO4,硝酸HNO3,リン酸H3PO4などのオキソ酸などのほか,塩酸HCl,ヨウ化水素酸HI,フッ化水素酸HFのような水素酸など,さらにクロム酸H2CrO4のような金属を含む酸をいう.炭酸H2CO3,シアン化水素酸HCNも無機酸として扱う.

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「無機酸」の意味・わかりやすい解説

無機酸
むきさん
inorganic acid
mineral acid

有機酸に対する語で、F、Cl、Br、I、S、Se、Te、N、P、Asなどのような非金属元素を含む酸基が水素と結合してできた酸。鉱酸ともいう。たとえば塩酸HCl、硫酸H2SO4、硝酸HNO3、リン酸H3PO4などがそうである。炭素を含む酸のカルボン酸は有機酸に分類するが、炭酸H2CO3のみは無機酸に分類する。

[中原勝儼]

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栄養・生化学辞典 「無機酸」の解説

無機酸

 鉱酸ともいう.有機化合物である有機酸に対していう.無機質からなる酸.炭素を含まない酸であるが,炭酸,重炭酸などは例外で,無機酸に属する.

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