無秩序さ(読み)むちつじょさ(その他表記)random; disorder

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「無秩序さ」の意味・わかりやすい解説

無秩序さ
むちつじょさ
random; disorder

簡単にいえば,でたらめさということ。不規則さともいう。水とアルコールとを混合すると完全に混り合い,特定の場所にアルコール分子がたくさん集っているということがない。すなわちアルコール分子の位置は水溶液の中で完全にでたらめになっている。ところが水と油を混合すると,一見混り合ったように見えても,かなり大きな油の塊が見られる。油分子の位置は完全にでたらめではなく,ある程度の秩序を残している。このように無秩序の状態には程度があると考えられるので,この度合いのことを無秩序さという。乱数表に表われる数の分布は完全に無秩序である。ある値を中心にした分布をもつ乱数表もある。きわめて矛盾した言い方であるが,これなどは規則性のある無秩序さといえよう。ガラス原子,分子の配列が無秩序になった典型的な物質である。原子,分子,イオンスピンなどの配列が,規則的な秩序をもった相から不規則で無秩序な相へ移ることを秩序無秩序転移と呼ぶ。また,決定論的な方程式に従うシステムにおいても,無秩序な挙動を示すカオス現象などが注目を集めている。

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