無酸素運動(読み)ムサンソウンドウ(その他表記)anaerobic exercise

デジタル大辞泉 「無酸素運動」の意味・読み・例文・類語

むさんそ‐うんどう【無酸素運動】

脂肪糖質を使わずに、筋グリコーゲンATPアデノシン三燐酸)を一気にエネルギーに変えて行う運動グリコーゲンは分解されて疲労物質である乳酸になる。発生するエネルギーは大きいが、持続しない。短・中距離競走・筋肉トレーニングなど。
[補説]脂肪や糖質は酸素を消費してエネルギーに変換する。→有酸素運動

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知恵蔵 「無酸素運動」の解説

無酸素運動

100mダッシュや強度の高いレジスタンス運動などは、呼吸をほとんど止めた条件で厳しく運動することを特徴にしているため、その運動のためのエネルギー生産は無酸素的(解糖系)エネルギー代謝に依存する無酸素運動である。グルコースやグリコーゲンがエネルギー源となり乳酸を生成するので、短時間で疲労する。これに対し、テニスマラソンなど比較的長時間にわたる軽運動は、酸素を筋肉に十分送り込みながら運動するので、グルコース、グリコーゲンのほかに脂肪酸をエネルギー源として酸素で分解してエネルギーを生産する。乳酸の生成が少ないので長時間運動継続できる。スピード養成期には無酸素運動が、スタミナ養成期には有酸素運動がトレーニングの中心になる。400mダッシュの次に400mジョッグと、二つのタイプの運動を組み合わせたスプリント・インターバル・トレーニングは、スピードを高めながらスタミナをつける運動として注目される。

(鈴木正成 早稲田大学スポーツ科学学術院特任教授 / 2007年)

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