日本大百科全書(ニッポニカ) 「照明用ガラス」の意味・わかりやすい解説
照明用ガラス
しょうめいようがらす
lighting glass
照明用の光源や器具に使用されるガラス製品の総称。電気を利用する照明には白熱電球、蛍光灯、高輝度放電ランプなどがある。ガラスはバルブ(電球)やバルブと導入線を封着するステムなどに利用されている。電球に用いられるガラスには、光源からの光の損失をできるだけ低減するため、高い透明性をもったソーダ石灰ガラス(ソーダライムガラス)、ホウケイ酸塩ガラス、石英ガラス(シリカガラス)などが用いられている。これらのガラスは、光源からの発熱に耐え、室内だけでなく野外においても使用できる優れた耐久性を有している。ステムについては、これまで加工温度が低くバルブと導入線の封着性に優れた鉛ガラスが汎用されてきたが、RoHS(ローズ)(ヨーロッパ連合による特定有害物質使用制限指令)などの鉛規制により、鉛を含まない低融点ガラスに切り替わってきている。また、地球温暖化防止および環境保護の観点から、電力消費が多く短寿命である白熱電球から、長寿命・高効率で経済性に優れた蛍光灯やLED(発光ダイオード)への切替えが進んでいる。
[伊藤節郎]