…中野梧一は旧幕臣(前名斎藤辰吉)であるが,廃藩置県後大蔵大輔の井上に見いだされ初代山口県令となり,のち辞任して藤田組に投じた。疑惑は井上がドイツ滞在中同地で贋札を製造し藤田組に送ったというもので,結局確証がなく12月2人は釈放され,後日神奈川県の画家熊坂長庵が真犯人として逮捕された。この事件は政争がからみ,井上がもと経営していた先収会社と山口県地租引当米の不正も批判の対象になっていたが,うやむやのうちに終わった。…
※「熊坂長庵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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