普及版 字通 「熏」の読み・字形・画数・意味
熏
14画
(異体字)燻
18画
[字訓] ふすべる・やく・かおり
[説文解字]
[金文]
[字形] 会意
柬(かん)+火。柬は東((ふくろ))の中にもののある形。火でくゆらして燻蒸し、煤(すす)などのたまる形。〔説文〕一下に「火、上に出づるなり」とし、「(てつ)に從ひ、に從ふ。は熏なり」とするが、〔段注本〕に「は熏の象なり」とし、後人補足の文とする。はの上部を括った形である。字はまたに作り、〔周礼、冬官、鍾氏〕に「三入をと爲す」という。燻は熏の繁文。糸を染めることを(しよう)という。鍾氏の鍾の初文はおそらく金文にみえる(しよう)で、糸束を染汁の鍋(田)に入れて染める方法を示す字。熏は火で熏染する方法を示す字である。
[訓義]
1. ふすべる、やく、くゆらす、煙や熱でむす。
2. 香などをしみこませる、感化を与える。
3. と通じ、日ぐれ。
4. と通じ、よう。
5. は熏染によって色づけする。うすあか。
6. (きん)と通じ、香を身に塗る。
[古辞書の訓]
〔立〕熏 カホル・マホル・フスブ・ヒノサカリナル/燻 コガル・ヤク・オキ 〔字鏡集〕燻 フスブ・カホル・イツルナリ・アツシ・ケブリノボルナリ・ニホフ・ヒノサカリナリ・サカリナリ・コガル・ヲキ・ヤク
[声系]
〔説文〕に熏声として(薫)・・勳(勲)・など五字を録する。勳の初文は爵を賜う象形の字。他は熏の声義を承け、その熏香、また色の義をとる字である。
[熟語]
熏鬻▶・熏火▶・熏熏▶・熏香▶・熏▶・熏黒▶・熏子▶・熏漬▶・熏耳▶・熏炙▶・熏▶・熏修▶・熏習▶・熏胥▶・熏焼▶・熏裳▶・熏烝▶・熏蒸▶・熏心▶・熏製▶・熏夕▶・熏染▶・熏鼠▶・熏竹▶・熏天▶・熏陶▶・熏▶・熏腐▶・熏風▶・熏祓▶・熏焚▶・熏沐▶・熏薬▶・熏浴▶・熏炉▶・熏籠▶・熏労▶
[下接語]
火熏・光熏・香熏・焼熏・声熏・揚熏
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報