熱力学第一法則(読み)ネツリキガクダイイチホウソク(その他表記)first law of thermodynamics

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「熱力学第一法則」の意味・わかりやすい解説

熱力学第一法則
ねつりきがくだいいちほうそく
first law of thermodynamics

熱現象において,熱はエネルギーの1種であり,熱エネルギーと力学的エネルギーを合せたエネルギーは保存されるという法則。 19世紀の中頃,R.マイアー,J.P.ジュール,H.L.F.ヘルムホルツらによって確立された。この法則は第一種永久機関をつくることは不可能であると表現することもできる。系の状態変化するとき,系が得る熱量 Q と外から系になされる仕事 W は,一般に途中過程によって異なる値をもつが,和 QW は途中の過程によらないで始めと終りの状態によって定まることを主張している。すなわち,系の状態によって定まるエネルギーが存在することになり,これを内部エネルギーという。始めと終りの状態の内部エネルギーを U1U2 と書けば,熱力学第一法則は U2U1QW で表わされる。

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化学辞典 第2版 「熱力学第一法則」の解説

熱力学第一法則
ネツリキガクダイイチホウソク
first law of thermodynamics

ある熱力学的系とその周囲との総エネルギー量は,たとえそのエネルギーがいろいろ形をかえても,つねに一定に保たれるという法則.この法則から,系の状態がかわったことに伴うエネルギー量の変化は最初の状態と最後の状態のみで決まり,途中の道すじにはよらないという結果を得るので,各状態にその状態によってのみ決まる固有のエネルギー量を考えることができ,内部エネルギーが定義される.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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