燃焼度(読み)ネンショウド

化学辞典 第2版 「燃焼度」の解説

燃焼度
ネンショウド
burn-up

燃焼率ともいう.原子炉に装荷した核燃料が,再処理までに発生したエネルギーまたは燃焼した割合を表す尺度.その表示には次のようなものがある.分裂密度:核分裂数/cm3パーセントバーンナップ:消耗ウランのパーセント,発生熱:MWD(メガワット日)/t U,累積熱中性子束:nvt.たとえば,ウラン1 t を含むUO2(1.13 t)中のウラン(235U)10 kg が核分裂したとすると,燃焼度は,2.5×1020fissioncm-3,1% U,10000 MWD/t U などとなる.1 g の235Uの燃焼は,約1 MWD に相当する.コールダーホール型炉での燃料は,せいぜい2500~3000 MWD/t U までしか燃やせなかったが,濃縮ウランを用いた軽水炉では,約20000~30000 MWD/t U まで燃やすことができ,高速増殖炉になると,さらに高い燃焼度までもっていくことができる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「燃焼度」の意味・わかりやすい解説

燃焼度
ねんしょうど
burnup

核燃料が,原子炉に入れられ,燃焼して取り出されるまでに,どれだけのエネルギーを発生したかを示す量。核燃料 1tあたりが放出した核分裂のエネルギーを用い,MWD (メガワット日) で表わす。核燃料としてのウランが,1g燃焼するまでに発生するエネルギーが約 1MWDである。現在発電に使われている軽水炉では,1tあたり 2.5~3.0万 MWDであるが,高速増殖炉では 10万 MWD以上を目標としている。

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世界大百科事典(旧版)内の燃焼度の言及

【燃焼】より

…【秋田 一雄】
【原子力】
 原子炉で核燃料が核分裂によりエネルギーを発生することを燃焼という。その程度を表すには,核燃料単位質量当りから発生したエネルギーを意味する燃焼度burnupを用いる。通常は核燃料1t当りの発生熱エネルギーをMW日で換算し,MW日/tという単位を用いる。…

※「燃焼度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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