牢名主(読み)ろうなぬし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

牢名主
ろうなぬし

江戸時代,牢屋の各囚房において囚人から選ばれ,牢内秩序維持にあたった牢内役人の筆頭をいう。牢内における一種の囚人自治制度の役名で,ほかに添役,角役,二番役などがあり,幕府もこれを公認していた。牢名主は本来は牢内の秩序維持を目的とする自治制度の筆頭者であるが,実際は牢内の絶対権者で,新しい入牢者から金子を受取るしきたりになっており,金子を持参しなかったり,気に入らぬ者には折檻 (せっかん) を加え殺害することもあった。

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デジタル大辞泉の解説

ろう‐なぬし〔ラウ‐〕【×牢名主】

江戸時代、囚人の中から選ばれ、長として牢内の取り締まりなどに当たった者。牢内名主。

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大辞林 第三版の解説

ろうなぬし【牢名主】

江戸時代、牢内の雑役のとりしきりや秩序の維持を命じられた囚人。牢内名主。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

牢名主
ろうなぬし

江戸時代、牢内の各室において、囚人のなかから選ばれ、囚人取締りの任にあたった者。[編集部]

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精選版 日本国語大辞典の解説

ろう‐なぬし ラウ‥【牢名主・籠ロウ名主】

〘名〙 江戸時代の牢屋で、囚人の長として牢内を取締まったもの。各房ごとに器量のあるもの一人を選んで官が任命した。役付囚人を指揮し、牢内の規律の維持、特に逃亡・自殺を警戒し、また官憲との連絡に当たったもの。牢内名主。
雑俳・もみぢ笠(1702)「役すれど咎はかわらぬ籠名主」

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世界大百科事典内の牢名主の言及

【牢屋】より

…また無宿と無宿でない者とは分離して収容された。各舎房には牢名主を頂点とする役付囚人がいて,他の平(ひら)囚人を強圧的に支配し,牢法の名の下に新入り囚人や牢内の規律に若干なりとも背いた者などに折檻,懲戒,もしくは私刑を科し,牢の管理者はこのような牢名主を任命,掌握することによって,牢内の規律を維持したのであった。このような過酷な牢名主制の存在,不衛生な環境と,30畳敷の大牢に100人以上も詰め込まれる過剰拘禁(その中でも役付囚人が広い場所を占領して,平囚人は一畳に18人が寝なければならない場合もあったという)の中で,牢死者は1年間に2000人にも及んだことがあり,まさに〈この世の地獄〉であった。…

※「牢名主」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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