牧峠
まきとうげ
標高九七〇メートル、ひるこ峠と称した。ひるこ街道(牧街道)と称される街道の峠で、春日山から飯田村(以上現上越市)を経て上下の昆子村を通り、信州桑名川村(現長野県飯山市)へ抜ける。文禄(一五九二―九六)頃の頸城郡絵図に「ひるこ峠 飯田より拾五里」とある。飯田川扇頂部に発掘された宮口古墳群および水科古墳群(現中頸城郡三和村)の出土品から、古代東山道の間道として利用されたと推定されている。中世には春日山城の出城が付近に点在し、軍用道路として活用され、上杉氏の番所が置かれた。維持は下昆子村・倉下村が当たったとされる。現在も上下の毘子の境界に番屋下の地名が残る。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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