物の本性について(読み)もののほんせいについて(その他表記)De rerum natura

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「物の本性について」の意味・わかりやすい解説

物の本性について
もののほんせいについて
De rerum natura

古代ローマの詩人,哲学者ルクレチウスの教訓叙事詩。6巻。人間を神々への畏怖と死の恐怖から解放するために,救済者エピクロスの教えを説き,世界が自然の機械的な法則に支配され,霊魂肉体と一緒に死滅することを証明する。詩の重点は,レウキッポスデモクリトスからエピクロスが継承して修正した原子論的宇宙論の詳細な展開におかれるが,エピクロスの快楽説にも触れている。唯物的理論の合間に人の世のいろいろな分野の情景色彩豊かにちりばめ,エピクロスの偉大な精神がなしとげた英雄的な業績をたたえる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

ローマ法王ともいう。ラテン語 Papaの称号はカトリック教会首長としてのローマ司教 (教皇) 以外の司教らにも適用されていたが,1073年以後教皇専用となった。使徒ペテロの後継者としてキリスト自身の定...

教皇の用語解説を読む