物憑き(読み)モノツキ

デジタル大辞泉 「物憑き」の意味・読み・例文・類語

もの‐つき【物×憑き】

よりまし」に同じ。
「御―に移って様々に申す事どもありて」〈盛衰記・一〇〉
物のにとりつかれること。また、そのとりつかれた人。
「―はすなはちさめにけり」〈太平記・三九〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「物憑き」の意味・読み・例文・類語

もの‐つき【物憑・物付】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 神霊を一時的にのり移らせるため、祈祷師が伴う童子や女。よりまし。ものつくもの。
    1. [初出の実例]「物の気病為る所有けり。物託(ものつき)の女に物託(つき)て」(出典今昔物語集(1120頃か)二七)
  3. 物の怪(け)がとりつくこと。また、物の怪にとりつかれた人。
    1. [初出の実例]「爰に年十二三許なる童部一人、〈略〉物付き口走て申けるは」(出典:太平記(14C後)二五)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android