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物の怪/物の気 モノノケ

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デジタル大辞泉の解説

もの‐の‐け【物の怪/物の気】

人にとりついて祟(たた)りをする死霊生き霊妖怪の類。

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世界大百科事典 第2版の解説

もののけ【物の怪】

物の怪のモノは広義にはマナに近い自然的または超自然的な霊のことで,この正体不明の霊的存在が人に憑依(ひようい)して病気にしたり命を奪ったりすると考えられる現象を〈物の怪〉という。物の怪は平安時代の文献に頻出し,邪悪な霊の発現をいうことが多い。その正体はたいてい嫉妬や怨恨をもった生霊や死霊であるが,のちにはの形でイメージされることもあった。当時,こうした物の怪は真言密教僧の加持祈禱(かじきとう)によって調伏(ちようぶく)された。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

物の怪
もののけ

生霊(いきりょう)、死霊などの類をいい、人に取り憑(つ)いて、病気にしたり、死に至らせたりする憑き物をいう。平安時代の文献にはよくこのことが記録されている。『紫式部日記』には、中宮のお産のとき、物の怪に対して屏風(びょうぶ)を立て巡らし調伏(ちょうぶく)したことが記されている。『源氏物語』葵(あおい)の巻に、「物の怪、生霊(いきすだま)などいふもの多く出で来てさまざまの名のりする中に……」とあり、また同じ巻に「大殿(おおとの)には、御物(おんもの)の怪(け)いたう起こりていみじうわづらひたまふ」などとある。清少納言(せいしょうなごん)も『枕草子(まくらのそうし)』のなかで、昔評判の修験者(しゅげんじゃ)があちこち呼ばれ、物の怪を調伏する途中疲れて居眠りをしたので非難されたことなどを記している(「思はむ子を」)。ほかに『大鏡』『増鏡』などにも物の怪の記述がみえ、これらは閉鎖的な宮廷社会での平安貴族の精神生活の一面を反映したものとみられる。物の怪に取り憑かれることを「物の怪だつ」といい、これにかかると、僧侶(そうりょ)や修験者を招き、加持祈祷(かじきとう)により調伏・退散させた。これには、物の怪を呪法(じゅほう)によって追い出し、別の人(憑坐(よりまし))にのりうつらせ、さらにそこから外界へ追い出し平癒させた。[大藤時彦]

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世界大百科事典内の物の怪/物の気の言及

【神】より

…ところでタマの立場から見た場合,古代には和魂(にぎみたま)と荒魂(あらみたま)の対立があった。タマが人知を超えた力を発揮すると,それはモノノケ(物の怪)の出現ととらえられ,別にタタリ(祟り)と表現された。平安時代のタマの発現とその活動の中に,怨霊や御霊(ごりよう)を認めそれを祟りとみて畏怖したのは,モノノケすなわち霊威に対するその時代の合理的解釈とみなされる。…

【祟り】より

…こうして〈たたり〉が人間に現れる場合は憑霊状態を示し,いわゆるシャマニズムのさまざまな心的機制を生ぜしめることになるが,今日,下北半島のイタコや沖縄のユタなどに伝えられているホトケオロシやカミオロシなどの巫儀も,この〈たたり〉現象に属する。 次に,神霊や死霊の示現が災禍や危害をともなうとされる場合の〈祟り〉は,当の神や死者の怨みや怒り,そして浄められずに空中を浮遊する邪霊,鬼霊の働きなどによるものとされ,とりわけ平安時代になって御霊(ごりよう)や物の怪(もののけ)の現象としてひろく人々の間に浸透し,恐れられた。なかでも〈祟り〉の現象が社会的な規模で強く意識されたのは平安前期の御霊信仰においてである。…

【妖怪】より

…妖怪の総称に相当する民俗語は,大別して,東日本に分布する〈モー〉系のモー,モーモー,モモンガー,モッコ,アモ,アンモなどと,西日本に分布する〈ガ〉系のガガマ,ガガモ,ガンゴー,ガゴジ,ガモなどに分けられる。霊的存在ないしは神秘的力の総称である〈もの〉の示現としての〈物の怪(もののけ)〉は,歴史的文献に現れた妖怪の総称の代表といえる語であり,神の示現としての〈かみのけ〉と対比される場合には邪悪な〈もの〉の発現を意味していた。この語は平安時代に多用され,その正体のほとんどが恨みをもつ生霊や死霊であって,鬼の姿でイメージされた。…

※「物の怪/物の気」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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