童子(読み)ドウジ

デジタル大辞泉 「童子」の意味・読み・例文・類語

どう‐じ【童子/童児】

幼い少年。子供。わらわ。「三歳の―でもわかる話だ」
貴人の身のまわりの世話をする、召し使いの少年。
《〈梵〉Kumāraの訳》
王子、すなわち菩薩ぼさつのこと。
㋑仏・菩薩明王などの眷属けんぞくにつける名。八大童子など。
寺院へ入ってまだ得度剃髪ていはつせずに、仏典の読み方などを習いながら雑役に従事する少年。女子童女という。
[類語]子供少年小児しょうに児童学童小人しょうにんわらべ・わらんべわらわ幼子おさなご幼童ちびっこわっぱこわっぱ小僧餓鬼がき

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精選版 日本国語大辞典 「童子」の意味・読み・例文・類語

どう‐じ【童子・童児】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 幼い子。わらべ。子ども。また、修学する年齢の子ども。児童。学童。
    1. [初出の実例]「凡僧聴近親郷里。取信心童子供侍。〈謂。未成人之称也〉」(出典:令義解(718)僧尼)
    2. [その他の文献]〔孟子‐滕文公下〕
  3. 召使いの少年。また、貴人などにつき従って、身のまわりの世話や護衛などをつとめる童形の者。童随身(わらわずいじん)
    1. [初出の実例]「早起呼童子、扶持残菊花」(出典:菅家文草(900頃)五・仮中書懐詩)
  4. ( [梵語] kumāra の訳語 ) 仏語。
    1. (イ) 出家しない幼童。ほぼ二〇歳未満の剃髪していないもの。
    2. (ロ) ( 仏の王子であるところから ) 菩薩の異称。
    3. (ハ) 仏・菩薩・明王などに仕えて使役に当たるもの。矜羯羅(こんがら)・制多迦(せいたか)など不動明王に仕える八大童子などがその例。
    4. (ニ) 仏・菩薩・明王などの童形の化身。「金剛童子」「金毘羅童子」などの形で用いる。
    5. (ホ) 七歳以上元服までの幼い者で僧の弟子となったもの。学びながら給仕、外出の供などをつとめる。また、年齢に区別なく、剃髪せず寺の雑用をつとめる召使い。大童子・上童子・中童子などの別がある。また転じて、神仏を信心する男。善男
      1. [初出の実例]「依令、僧尼取年十六已下不庸調、聴童子」(出典:続日本紀‐養老元年(721)五月丙辰)
  5. 能面の一つ。童顔神仙をあらわす男面。「田村」「小鍛冶」などに用いる。
    1. 童子<b>④</b>
      童子
  6. どうし(瞳子)
    1. [初出の実例]「我は是。山彦の王子師範伊賀留田(いかるだ)の益良(ますら)眼中のどうじなり」(出典:浄瑠璃・用明天皇職人鑑(1705)四)

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普及版 字通 「童子」の読み・字形・画数・意味

【童子】どうじ

幼少の召使い。〔礼記、檀弓上〕曾子、疾に寢(い)ねて(へい)なり。~子、隅坐して燭を執る。子曰く、にして(くわん)たるは大夫の簀(さく)(牀)かと。~曾子瞿然として曰く、呼(ああ)と。

字通「童」の項目を見る

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改訂新版 世界大百科事典 「童子」の意味・わかりやすい解説

童子 (どうじ)

(わらべ)

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デジタル大辞泉プラス 「童子」の解説

童子

池井昌樹の詩集。2006年刊行(思潮社)。2007年、第22回詩歌文学館賞(詩部門)受賞。

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世界大百科事典(旧版)内の童子の言及

【信田妻】より

…命を助けられた狐が人に姿を変えて安倍保名と契り子を生む。その子は安倍の童子と名づけられる。ある日,その正体を子に見られた母は〈恋しくは尋ね来て見よ和泉なる信太の森のうらみ葛の葉〉の歌を残して姿をかくす。…

【能面】より

…平太(へいた)と中将は特に武将の霊に用い,頼政や景清,俊寛など特定の人物への専用面も現れた。喝食(かつしき),童子など美貌若年の面のなかにも,蟬丸や弱法師(よろぼし),猩々(しようじよう)といった特定面ができてくる。(4)は最も能面らしい表現のものといわれ,若い女面として小面(こおもて),増(ぞう),孫次郎,若女の4タイプがあり,それぞれ現在は流派によって使用を異にしている。…

【弁慶】より

…また,山伏と鍛冶との交流も考えられるが,問題はそれらの個々の伝承者を離れて,弁慶が典型的な民間の英雄として,その像がどのような種類の想像力によって生成されたかを解明することであろう。
[鬼子,捨子,童子]
 弁慶の誕生譚に関するほとんどの伝承は,鬼子(おにご)として生まれ,山中に捨てられたとするモティーフを備えている。鬼子は,《台記》や《日葡辞書》にも見られるように,長い髪の毛,つまり童髪(わらわがみ)をし,歯が大きく,または二重に生えている者のことをいうが,他の説話や伝説でも,鬼子は殺されるか捨てられるかするのが普通である。…

【童】より

…わらんべ,わらわ,わらわべ,わろうべともいい,童部とも表記した。普通には男女を問わず元服以前の児童(童子・子ども)をさした。童というのは10歳前後とする考え方もあるが,そのように限定してしまうと,かえって童の語にふくまれていた豊富な内容が見失われかねないともいえる。…

※「童子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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