物語僧(読み)ものがたりそう

世界大百科事典 第2版の解説

ものがたりそう【物語僧】

中世(とくに室町期)において物語を語ることを業とした目明きの遁世者。伴奏楽器はなく,扇を持って朗々とした語り口調で軍記物語などを朗誦した。《看聞(かんもん)日記》(1416年条)にみえる物語僧は〈弁説玉ヲ吐キ,言詞花ヲ散ラス〉という名人で,《明徳記》らしい軍記を語っている。《大塔物語》(室町初期)にみえる頓阿(とんあ)も〈弁説宏才〉で,物語は古山珠阿(しあ)の弟子という。珠阿は武士くずれの時衆で,義満の同朋衆である。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

今日のキーワード

未必の故意

犯罪事実の発生を積極的には意図しないが、自分の行為からそのような事実が発生するかもしれないと思いながら、あえて実行する場合の心理状態。→故意[補説]作品名別項。→未必の故意...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

物語僧の関連情報