特別国際法(読み)とくべつこくさいほう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「特別国際法」の意味・わかりやすい解説

特別国際法
とくべつこくさいほう

一般国際法に対する語で,特定国家または特別な地域にのみ妥当する国際法をいい,ほとんどが少数国間の条約または地域的慣習によって形成される。すなわち「特別法は一般法を破る」という原則国際社会においては広く認められ,きわめて多くの特別国際法が存在する。この原則は合意を行なった当事国間のみに妥当し,第三国との間では一般国際法が適用される。さらに後法優先の原則によって,のちになって特別国際法と矛盾する一般国際法が成立すれば,その特別国際法は排除される。あるいは一般国際法を形成するとみられる一般条約なかには,特別国際法の内容を規制するものがある。たとえば国連憲章は「加盟国は憲章上の義務を他の条約上の義務に優先させなければならない」と規定 (103条) して,国連憲章と矛盾する特別国際法を排除している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android