精選版 日本国語大辞典 「犬枕」の意味・読み・例文・類語 いぬ‐まくら【犬枕】 [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 「犬」はにせものの意 ) にせものの「枕草子」。[ 二 ]の体裁にならって書かれたものもこう呼ばれた。[初出の実例]「ある人、長短広峡の品、善悪好嫌のたぐひを、一つ書にあげて、犬まくらとなづけて、をかれし書を」(出典:評判記・吉原讚嘲記時之大鞁(1667か)いなば)[ 2 ] 仮名草子。一冊。近衛信尹(のぶただ)側近の合作か。慶長一一年(一六〇六)頃成立。「枕草子」の「物は尽し」の形式により、「うれしき物」「かなしき物」等、七十余項目を箇条書きにし、末尾に狂歌を付す本もある。卑俗な記事が多い。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by
世界大百科事典(旧版)内の犬枕の言及 【秦宗巴】より …連歌また香道にくわしかった。《枕草子》の類集体をもじった仮名草子《犬枕》の作者として知られるが,また《素問註抄》《医学的要方》《徒然草寿命院抄》など,医学・古典注解の著がある。【野田 寿雄】。… ※「犬枕」について言及している用語解説の一部を掲載しています。 出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」 Sponserd by