猪崎村
いざきむら
古くは井崎とも書いた。福知山城下の北方、由良川右岸に位置する。村の北方に烏ヶ岳と鬼ヶ城がそびえ、その南麓に径約二キロの旧洪積層の隆起扇状地があり、開析されて三、四の谷に分れている。その間にやや平坦な台地があり、そのうち中央部のものが最も南へ突き出ており、突端を城山とよぶ。集落はこの山の南の傾斜地にある。
村内を綾部・私市方面から安井・筈巻を経て丹後への由良川沿いの道が通るが、そのほか当地から鬼ヶ城峠を越えて丹後へ至る道もあった(寛政十一年丹波国大絵図)。「丹波志」は「猪崎村ヨリ丹後国南山村迄壱里二十一町三十間、牛馬不通、但鬼ケ城峠国境迄三十四丁四十間」と記す。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報