猪川村(読み)いかわむら

日本歴史地名大系 「猪川村」の解説

猪川村
いかわむら

[現在地名]大船渡市猪川町

田茂山たもやま村の北、さかり川両岸とその支流大野おおの川沿いにあり、東西に長く広がる。北は日頃市ひころいち村。寛永検地の覚(臼井文書)には家数は本百姓三四・名子水呑五七、人数五九五(男三二四・女二七一)、田二四町七反余(二七貫三九八文)・畑九五町五反余(一七貫八七九文)とある。正保郷帳に村名がみえ、田二六貫八七六文・畑一七貫四三八文、ほかに新田一貫三六七文、松山がある。宝永二年(一七〇五)人数改によれば人数六五六、うち塩煮一九、鉄砲数一九(気仙史料)。「封内風土記」の家数一一二、稲子沢・八幡富岡とみおかの小名をあげる。元禄三年(一六九〇)の本判一六枚九分六厘二毛(気仙史料)。享保一〇年(一七二五)当村肝入善右衛門は籾三〇石・稗六〇石・麦一〇石を備荒用として蓄え、村内夫食の者に貸渡したい旨、五人組頭・肝入連名で大肝入名代吉田平八郎に願出て許可され(享保九年「願書」千葉文書など)利息は囲蔵と同じ一割としたが、同年末には籾三三石・稗六五石余・麦一一石に増え、同一六年には籾五六石余・稗一一三石・麦一九石余に達し、延享二年(一七四五)には約三倍、寛延三年(一七五〇)約四倍、宝暦四年(一七五四)約五倍に増加した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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