玉崎(読み)たまざき

日本歴史地名大系 「玉崎」の解説

玉崎
たまざき

[現在地名]岩沼市南長谷

南長谷みなみはせ南端阿武隈川北岸にある。「和名抄」名取郡七郷のうちの玉前たまさき郷の比定地。「延喜式」兵部省諸国駅伝馬条には、東山道の陸奥国駅馬として「玉さい」がみえ、駅馬五疋が置かれていた。玉崎と阿武隈川対岸亘理わたり田沢たざわ(現亘理町)とを結ぶ渡しは稲葉いなば渡とよばれ、その起源奈良・平安時代にさかのぼるとされる。古くから水陸交通の要地であったらしい。江戸時代、玉崎は阿武隈川舟運の拠点の一となり、御穀改所が設けられた。設置の時期は荒浜あらはま(現亘理町)の川口番所が置かれた天和二年(一六八二)頃と考えられる。御穀改所では阿武隈川上流信夫しのぶ伊達だて地方(現福島県北部)から運ばれる御城米のほか、他領への移出が禁じられている仙台藩米や品物の監視を行った(元禄三年「所々御穀改所定」渡辺信一家文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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