王政復古期演劇(読み)おうせいふっこきえんげき(その他表記)Restoration drama

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「王政復古期演劇」の意味・わかりやすい解説

王政復古期演劇
おうせいふっこきえんげき
Restoration drama

チャールズ2世が帰国して王政が復活した 1660年から 17世紀末までのイギリス演劇。清教徒によって 1642~60年の間閉鎖されていた劇場は再開されたが,フランス演劇の影響を受けて,エプロンステージに代って額縁舞台が採用され,エリザベス朝の少年俳優に代って女優が登場した。作品としては,有閑階級の恋愛遊戯を機知に富んだせりふで描いた「風習喜劇」と,ヒロイック・カプレット (2行ずつ押韻する弱強五歩格の対句詩形) によって恋や名誉の問題を描いた「英雄悲劇」 heroic tragedyの2つの様式が盛んであった。代表的作家としては,『当世風の男』 (1676) の G.エサリッジ,『田舎女房』 (75) の W.ウィッチャリー,『世の習い』 (1700) その他の W.コングリーブ,『募兵官』 (06) ,『伊達男の計略』 (07) の G.ファーカーらがいる。英雄悲劇には,J.ドライデンの『グラナダ征服』 (1670) や T.オトウェーの『ベニスは安泰』 (82) などがある。

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