おう‐うしょうワウ‥【王禹偁】
- 中国、宋代初期の詩人、名臣。字(あざな)は元之。山東鉅野の人。太宗に信任された。詩にすぐれ、宋詩最初の詩人とされる。詩文集「小畜集」。(九五四‐一〇〇一)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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王禹偁
おううしょう
(954―1001)
中国、北宋(ほくそう)の詩人。字(あざな)は元之。済(せい)州(山東省)の人。粉ひき業者の子といわれる低い身分から、科挙を経て官僚となった経歴は、宋代士大夫の典型の早い例である。蘄(き)州(湖北省)の長官になったときに死亡した。当時、宋代独自の詩は生まれていなかったなかで、彼は五言は杜甫(とほ)を学び、七言は白居易を学んで、平弱といわれながらも、平静淡泊ななかに知性と社会批判とを盛り込んで、宋詩の風気の先駆けとなった。『小畜集』30巻、同外集7巻がある。
[入谷仙介]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の王禹偁の言及
【宋詩】より
…太宗から真宗時代にかけて,ようやく復興の機運が起こったが,詩においては晩唐の李商隠の晦渋できらびやかな詩を形式的に模倣する西昆(せいこん)体が流行したにすぎなかった。ただ王禹偁(おううしよう)(954‐1001)が,平静淡泊な中に,社会批判をこめた独自の詩を作り,宋詩の第一声とされる。仁宗時代に入り,散文の分野で古文を提唱して文体を改革した欧陽修を先頭に,梅尭臣,蘇舜欽(そしゆんきん)らが新しい詩を作りだし,たちまち詩風は一変した。…
※「王禹偁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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