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現代美術と写真 げんだいびじゅつとしゃしん contemporary art & photography

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知恵蔵2015の解説

現代美術と写真

1980年代にポストモダンの傾向が定着して以来、現代美術と写真との境界はほとんどなくなってしまった。各国で開催される現代美術フェスティバルを訪ねると、出品作の半分以上が写真、ビデオコンピューターグラフィックスなどの映像写真で占められていることがよくある。ドイツ出身のヴォルフガング・ティルマンスが2000年に美術界で権威のあるターナー賞を受賞したように、写真家が現代美術の世界で評価されることも珍しくなくなった。日本でも近年、杉本博司森村泰昌、やなぎみわ、オノデラユキなどが美術館で大規模な個展を開催している。また、彼らの作品は現代美術のオークションなどでも高額で取引されている。写真を使った作品が増えた理由の1つに、70年代のコンセプチュアルアート以後、現代美術の表現があまりにも高度になり、一般観客にはわかりにくくなってしまったということがある。そのような中で現実世界をリアルに描写できる写真の能力を取り入れることで、現代美術を活性化しようとする動きが出てきたのだ。

(飯沢耕太郎 写真評論家 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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