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情報化社会 じょうほうかしゃかい information society

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知恵蔵2015の解説

情報化社会

1990年代のインターネット携帯電話の普及、情報技術の高度化に伴い一般的に用いられるようになった社会概念。情報化社会という問題意識は社会の変動を示すものとして、60年代の後半から取り上げられており、その代表としてD.ベルの『脱工業社会の到来』(73年)やA.トフラーの『第三の波』(80年)を挙げることができる。トフラーは情報技術革命により、個々人による情報の発信が可能となることで、自由と民主主義が拡大するとした。こうした楽観的な捉え方に対して、現在の方向性を監視社会化の進行と見なす考えが現れてきている。ローレンス・レッシグは『CODE』(99年)において、個人のデータが収集されていくことで、生活が把握・監視され、情報の集積として整理されることになると主張する。9.11同時多発テロ以降の国家による情報監視体制の強化や、犯罪の抑止のための、市民自身による監視のテクノロジーの使用とその普及は、情報化社会における匿名性と自由の関係、プライバシーの保護の問題などの議論を引き起こしている。

(野口勝三 京都精華大学助教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

じょうほうか‐しゃかい〔ジヤウホウクワシヤクワイ〕【情報化社会】

物や資本などにかわって知識や情報に価値が置かれ、情報の生産・収集・伝達・処理を中心として社会・経済が発展していく社会。情報社会

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監修:松村明
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百科事典マイペディアの解説

情報化社会【じょうほうかしゃかい】

情報社会とも。情報の生産・伝達を中心に発展する社会。産業革命で誕生した工業化社会が機械による物財の生産・販売を中心に発展してきたのに対する言葉で,その次にくる社会発展段階とみなす考えもあり,米国の社会学者D.ベルなどはこれを〈脱工業化社会〉と呼んでいる。
→関連項目情報弱者

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流通用語辞典の解説

情報化社会

工業化社会の後にくる社会構造であり、情報が社会システムの中心になる社会をいう。これまでの工業化社会では物質が重要な資源となっていたが、情報化社会では情報が中心的な価値を占めるようになり、コンピュータを中心とした情報ネットワークが整備されることとなる。また産業構造も、それまでの第二次産業(製造業)中心から第三次産業、特に情報の生産・流通・販売に関わる情報産業の比重が高まり、インターネット・ショッピング在宅勤務などの実現によって、人々の日常生活も大きな影響を受けることになる。情報テクノロジー(IT)の急速な発展により、わが国も、すでに情報化社会に入りつつあるといわれており、企業の情報化、高度情報利用が企業存続を決定づけるようになってきた。

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世界大百科事典 第2版の解説

じょうほうかしゃかい【情報化社会 information society】

コンピューターによる迅速な情報処理と,多様な通信メディアによる広範な情報伝達によって,大量の情報が不断に生産,蓄積,伝播されている社会をさす。通信技術とコンピューターの飛躍的な発達を背景として,1960年代後半ころから日常的にも広く用いられるようになった。〈情報社会〉ともいう。物質やエネルギーの変形・処理を主要な産業とする工業社会の後に到来する社会という意味での〈脱工業社会post‐industrial society〉と,概念的にほぼ同義である。

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大辞林 第三版の解説

じょうほうかしゃかい【情報化社会】

社会的に大量の情報が生み出され、それを加工・処理・操作するための機構が巨大化し、人々の意思決定や行動に大きな影響を与えるに至った社会。情報社会。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

情報化社会
じょうほうかしゃかい
information society

情報社会ともいう。物財、すなわち、物や、資産、資本などの財力にかわって、知識や情報が優位となる社会で、1970年代後半から1980年代にかけて、アメリカ、日本、旧西ドイツイギリスなどの先進工業諸国は相次いで情報化社会に移行した。[安田寿明]

社会の段階的発展説

先進工業諸国が工業化社会から情報化社会に移行するという考え方の背後にあるのは、社会の段階的発展説である。つまり人類は、最初の生産手段として農耕技術を手にし、田畑を耕す農業化社会を形成した。ついで産業革命によって、工場生産による豊富な物財を手にする工業化社会への発展を成し遂げた。そしてコンピュータや、電話、テレビ放送などの電気通信技術の発展で、情報を主体とする新しい社会、すなわち情報革命と情報技術による情報化社会に移行していったとするものである。これでもわかるとおり、社会の発展がごく単純に3段階に分類されている。そこから出てきたのがアメリカの未来学者トフラーの「第三の波」説である。第一の波が農業、第二が工業、そして第三の波が情報というわけである。
 トフラーの説は1980年代に登場したが、この考え方は1960年代初めに、W・ロストウ、D・ベルなど多くの社会経済学者から提言されていたものでもある。当時は新しい第三の社会のことをポスト・インダストリアル・ソサエティー(脱工業化社会)と定義していた。そのころ日本では、梅棹忠夫(うめさおただお)が『放送朝日』1963年(昭和38)1月号に「情報産業論」を発表し、三段階発展説の所説を展開、『中央公論』1963年3月号に転載されて大反響をよんだ。ついで香山(こうやま)健一(1933―1997)が「情報社会論序説」を『別冊中央公論経営問題特集』1968年冬季号に発表、日本では情報産業という新産業形態の定義が確立し、脱工業化社会とは情報化社会であるとの観念が定着した。脱工業化社会が情報化社会として再定義されたのは、アメリカにあっては1970年代後半になってからであった。[安田寿明]

知識集約型産業構造

これらの日本人研究者の学説発表に呼応して、日本政府は1960年代後半から産業構造審議会を督励し、新しい時代に対応した産業構造再編成への道を模索し始めた。その成果が1970年代の通商産業政策の基本方針として実を結び、日本の産業政策は重大な転換期を迎えることとなった。具体的には、それまでの鉄鋼や石油化学などの重化学工業育成重視の政策ではなく、知識集約型産業構造への転換を打ち出したのである。
 知識集約型とはどういうことであろうか。鉄をつくるとか、原油を精製するには、大量の原材料と熱源が必要である。重化学工業は、その意味で、いわば資源・エネルギー集約型産業と考えられる。しかし、その鉄をもとに自動車を組み立てる。しかも、その自動車は単に走ればよいというのではなく、低燃費で性能がよく、故障が少ないものが必要とされる。これを生産するには、優れた技術力と、それを可能にする豊富な知識がなければならない。このように同じ工業製品でも、知識力を背景にした高度技術製品の生産に主力を注ぐ。これを知識集約型産業構造というのである。
 そのような知識の蓄積や流通に寄与するものは情報産業である。アメリカでは1960年代の初め、プリンストン大学のF・マハルプが「知識産業」という新しい定義を提案している。知識の生産・再生産・流通にかかわる産業のことである。具体的には、教育、放送、出版業をはじめ、通信、コンピュータ、エレクトロニクスなどの情報関連諸産業が当てはまる。そして、通信とコンピュータを結合し、大量の情報を蓄積、分析して迅速に分配するデータバンクや付加価値通信網(VAN(バン))などの情報産業が、新しいビジネス・ジャンルとして1970年代後半から1980年代全般にかけて急速に成長していった。
 重化学工業の時代では、電力とか鉄鋼などの産業が、いわば社会の基盤を支える基幹的存在である。それが知識集約型産業構造の進展に伴って、情報産業が基幹的産業となってくる。このようにして形成される新しい社会を情報化社会というのである。先進工業国のなかでは、日本は知識集約型産業構造への転換を目標に掲げて、比較的に早くこの情報化社会への移行を終えた国の一つである。その成果が、たとえば自動車やカラーテレビジョン、あるいはホームVTRの分野で国際競争力の強い製品の生産に1970年代後半から成功し、1980年代初めには世界市場を制覇するに至った。またLSI(大規模集積回路)や超LSIの分野でも、世界のトップをいくアメリカの実力にほぼ伯仲するまでになり、日本の技術力に対する評価が高まり、1980年代の日本経済発展の原動力となった。しかしながら、学術研究利用に限られていたインターネットが1990年代初めに民間にも開放され、その大衆的普及にいち早く成功したアメリカは、IT(情報技術)という新概念のもと市場経済に情報化機能を導入、1990年代の比類のない経済的繁栄をもたらした。一方、日本はインターネット関連の情報通信機器の生産力ではアメリカと肩を並べるものの、通信網の整備と利用など総合的な情報技術力では遅れをとっており、その整備と充実が今後の課題となっている。ただし1990年代末以降、携帯電話とインターネットを結合したモバイルコンピューティングの分野では、普及率、活用の度合いともに日本は世界のトップを進みつつある。[安田寿明]

情報化社会の生活

情報化社会で人々の生活がどう変化するか。それを巧みに表現したのがトフラーの『第三の波』(1980)である。彼はこの著書のなかでエレクトロニック・オフィス(電子化事務所)とエレクトロニック・コテージ(電子化家庭)という新しい概念を提案している。電子化事務所というのは、オフィスオートメーション(OA)化された職場のことで、企業情報が各種のコンピュータや情報機器によってシステム化されている。また電子化家庭は、同じく家庭もまた電子情報化されていることをさす。その間を高性能な通信線で結べば、人々はもはやオフィス・ワークを必要とせず、家庭にいながらにして会社の用を足せるというのである。トフラーはこれを在宅勤務telecommutingと定義している。このような考え方はインターネットの大衆的普及によって、ようやく実現可能となり、SOHO(ソーホー)(Small Office Home Officeの略)とよばれる、家庭内のインターネット端末や自宅近くのサテライト事務所で業務をこなす例も珍しいことではなくなった。
 また、パソコンやデジタル・テレビ放送など家庭の情報機器を利用して商品データを取り寄せ、手元の情報端末から買い物の発注ができるテレショッピングteleshopping(オンライン・ショッピング)や、医療相談などの案内コンサルティング・サービスをはじめとする各種の生活情報化への活用も現実のものとなった。これらはトフラーの『第三の波』で夢物語として語られていたものだが、インターネットの普及であたりまえのものとなり、インターネットバンキング、代金支払いの電子決済など実用的なものから、遊びや趣味に至る幅広い応用が一般的なものとして受け入れられるようになった。また、ネットワークの発達によって、地域、職域、企業間を問わぬ情報活用体制が確立されている。とりわけ注目されるのは、集団食中毒などでの治療対策情報網、臓器移植情報網など医師間の専門知識の迅速な交換体制などにみられる、医療活動へのインターネットの積極的な活用である。
 これらを技術的に実現するため、1980年代以降、企業にあってはOA化推進のための情報機器や技術の開発、LAN(構内情報通信網)の整備が進められた。一方、家庭にあってはパソコンなど生活情報機器の普及とその活用技術の開発、また、情報交流を円滑化するためのINS(高度情報通信システム)などの通信網高度化計画が推進されていった。1990年代以降、情報通信網の整備はインターネットを基幹として考えられるようになり、通常の電話線で高速大容量通信が可能なISDN(統合サービスデジタル網)やADSL(非対称デジタル加入者回線)などの実用化をはじめ、一般家庭への光ファイバーの普及やデジタル衛星放送、CATV(有線テレビ)などの活用が進められている。[安田寿明]

情報化社会の光と影

工業生産力が増大し、技術が高度化すると、それに伴って管理と制御の面が肥大化する傾向がある。すなわち管理や制御機構の効率化を図るというのが情報化のねらいの一つでもある。そこから生まれた情報技術を、家庭をはじめとする生活の場にも応用し、人々の暮らしを物質的だけでなく精神的にも豊かなものにしようというのが情報化社会の理念でもある。こう考えると、情報化社会はまさにユートピアの理想でもあるが、その背後には、やはり落し穴があることにも留意しておかなければならない。
 情報化社会の危険な側面として早くから指摘されていたのはプライバシーの侵害である。それも、権力機関によるものよりも、商業主義的な情報産業の無差別なプライバシー侵害が心配されている。たとえばインターネットで買い物をしたとしよう。そのデータはそのつどコンピュータに蓄積され、過去の資料や、代金決済記録と照合される。やがて、その家庭の家族構成や資産能力などが類推できるようになる。こうしたことが可能になるのが情報化の威力でもあるが、そうした資料が分別なしに活用されるようになると恐ろしいことになる。すでにダイレクト・メールの山にさらされる人や、のべつ幕なしのセールス電話や電子メールに悩まされる人も多くなってきているが、これも情報化の弊害の一つである。
 また情報化の進展に伴い、高性能なコンピュータがだれでも操作できるようになった。その結果として問題が出てきたのがコンピュータ犯罪である。これの古典的なものとしては、コンピュータ室に忍び込み、データや情報を改竄(かいざん)したり破壊するなどの犯罪がある。さらに、技術が高度化するにつれ、通信線を介して、場所や人間を特定できない何者かからのコンピュータシステムへの侵入が心配されるようになった。とりわけ、犯意はなくとも単なる技術的興味から他人のシステムに接続し、いたずら半分に重大な障害を与えるケースも多い。こうした犯罪者をハッカーhackerという用語で定義しているが、彼らによる被害は国境を問わないことに特徴がある。そこで、1990年代後半からは先進7か国にロシアを加えたG8(8か国主務官庁会議)での協議のもと、各国はそれぞれサイバーテロ(インターネットなどの情報インフラに対する大規模な破壊活動)などの情報犯罪対策に取り組むようになった。日本でも、2000年(平成12)に約20の中央省庁のシステムがハッカーに不正アクセスされ、内部の情報が書きかえられたり、消されたりという事件がおこった。ネットワーク上の取引の普及に伴い、他人のID(認証番号)やパスワードの悪用、システムに侵入してデータを破壊するなどの犯罪が後を絶たず、2000年2月には不正アクセス禁止法が施行されるなど、こうしたハイテク犯罪に対する情報セキュリティ確立のための法律整備が図られている。
 犯罪ばかりでなく、情報化社会の特徴は、あふれんばかりの情報がしごく手軽に入手できることである。それだけに、それらの価値判断や取捨選択(情報リテラシー)は重要な問題となってくる。情報化が進展すればするほど、個人としての主体性の確立が要求されるのである。また、情報リテラシーを保有する人を情報富者、そうでない人を情報貧者と定義し、両者の格差をデジタル・デバイドdigital divideと称して新たな差別の発生に警鐘を鳴らす向きもある。[安田寿明]
『YTV情報産業研究グループ編『日本の情報産業』全3巻(1975・サイマル出版会) ▽A・トフラー著、徳山二郎・鈴木健次訳『第三の波』(1980・日本放送出版協会) ▽平野龍一他著『東京大学公開講座39 情報化と社会』(1984・東京大学出版会) ▽増田米二・正村公宏著『高度情報社会は人間をどう変えるか?』(1984・TBSブリタニカ) ▽公文俊平著『ネティズンの時代』(1996・NTT出版) ▽青木保・梶原景昭他編『情報社会の文化』全4巻(1998~1999・東京大学出版会) ▽名和小太郎著『デジタル・ミレニアムの到来――ネット社会における消費者』(1999・丸善) ▽山下栄一・井上洋一著『情報化社会と人権』新版(2000・明石書店) ▽木村忠正著『デジタルデバイドとは何か』(2001・岩波書店) ▽宮尾尊弘著『日本型情報化社会――地域コミュニティからの挑戦』(ちくま新書)』

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図書館情報学用語辞典の解説

情報化社会

工業生産がその牽引力となっていた工業社会に代わり,情報が中核的な役割を担う社会.社会のこうした移行はコンピュータや情報通信の発達により起こり,グローバル化に伴い一国の資源や基準の重要性の相対化が生じ,ネットワーク化に伴い権力の分散化が生じるなどといった予測や議論が1970年代初頭からなされた.その多くが現実となりつつある社会では,情報のセキュリティ知的所有権など解決すべき問題に直面しており,従来の議論は技術決定論的性格が強く,楽観的すぎたという批判もある.

出典|図書館情報学用語辞典 第4版
©All Rights Reserved, Copyright Nihon Toshokan Joho Gakkai, 2013 編者:日本図書館情報学会用語辞典編集委員会 編
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