現様(読み)うつつさま

精選版 日本国語大辞典 「現様」の意味・読み・例文・類語

うつつ‐さま【現様】

〘名〙
現実のすがた。この世に実在するもの。
源氏(1001‐14頃)明石「うつつさまの人の心だに猶くるし」
② 心を奪われ正気を失っている様子。夢うつつの状態
浄瑠璃菅原伝授手習鑑(1746)二「てんと御器量、斎世とやら様とやらが現(ウツツ)様にならしゃったも道理じゃ」

うつし‐ざま【現様】

〘名〙 (形動)
意識が確かなこと。正気なさま。
※源氏(1001‐14頃)賢木「男もここら世をもてしづめ給ふ御心みなみだれて、うつしざまにもあらず」
② 普通のありさま。ふだんの状態。
※源氏(1001‐14頃)須磨「おほやけのかしこまりなる人の、うつしざまにて世の中にありふるは」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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