理財商品(読み)リザイショウヒン

デジタル大辞泉 「理財商品」の意味・読み・例文・類語

りざい‐しょうひん〔‐シヤウヒン〕【理財商品】

中国金融機関国内で販売する高利回りの資産運用商品。債券や貸し出債権を小口化したもので、銀行投資会社が組成し、主に個人投資家向けに販売している。シャドーバンキング一つWMP(wealth management products)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「理財商品」の意味・わかりやすい解説

理財商品
りざいしょうひん

中国で取引されている高利回りの資産運用商品。債権型、信託型のほか、海外に投資する適格国内機関投資家型(QDII:Qualified Domestic Institutional Investor)などがある。債券や貸出債権を小口化し、銀行や証券会社、保険会社などの金融機関と投資会社が、おもに個人投資家向けに販売する。預金より高い利回りをアピールして顧客を集めており、主婦などの間で人気を博している。理論上元本割れの可能性もあるハイリスク・ハイリターン商品であるにもかかわらず、経営不振企業や不採算プロジェクトの元本を地方政府や信託会社が負担する「損失補填(ほてん)」が裏で行われ、モラル・ハザードが発生しているものの、これまで破綻(はたん)したケースは少ない。近年、理財商品の残高が急増し、2018年6月には21兆元(351兆円=同年平均為替(かわせ)レート換算)となった(中国銀行保険監督管理委員会発表)。中国政府は将来デフォルトするリスクを抑えるため、取引規制の強化などに乗り出し、2017年、理財商品の元本保証を禁止する指針を公表した。

[矢板明夫 2019年5月21日]

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