知恵蔵 「環境経済学」の解説
環境経済学
現代の環境問題には、地球温暖化、大気汚染、森林破壊、生物多様性の喪失、廃棄物とリサイクルの問題など、様々な問題がある。環境経済学は、このような環境問題が発生するメカニズムやその影響、環境保全と持続的発展の双方を考慮した政策のあり方などを、経済学的に検討する。森林の国土保全機能や水源涵養機能、豊かな自然が育む生物多様性など、環境は多様な価値を持ちながら市場で取引されず価格がつかないことが多い。このような「環境」の経済的性格や、自らの利益を重視する企業や消費者の行動を踏まえて、市場システムの下で環境破壊が生じる原因を解明したり、環境破壊の被害額や環境の価値を測定したり、望ましい環境水準を保つための環境政策を検討したりしている。
(原田英美 ライター/2018年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報