(読み)へき

普及版 字通 「甓」の読み・字形・画数・意味


18画

[字音] ヘキ
[字訓] かわらしきがわら

[説文解字]

[字形] 形声
声符は辟(へき)。〔説文〕十二下に「甓なり」とあり、瓦。〔広雅、釈宮〕に、「甓は甎(せん)なり」という。敷瓦の類。宋の謝泌は、考試甚だ厳、落第者相次ぎ、甓を懐(いだ)いて泌の外出を待つものが多かったという。

[訓義]
1. かわら、しきがわら。
2. 陶器焼物

[古辞書の訓]
名義抄〕甓 モタシ・モタヒ・カハラ

[熟語]
甓器甓甃甓途
[下接語]
懐甓

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【塼】より

…焼成した煉瓦のことを,中国では塼(専,磚,甎とも書く)といい,また甓(へき)などともよぶ。古代から現代まで土木建築の基本材料として多方面に使われている。…

【煉瓦】より

… 日本では,明治維新以来,熱心に煉瓦の製法が研究され,明治後期から大正時代には,きわめて上質の煉瓦(赤煉瓦)が産出されるようになったが,関東大震災(1923)以降の煉瓦造の衰退にともなって質的にも劣悪化し,耐火煉瓦を除いては,内外装用にしか使用できないものとなっている。煉瓦造建築【桐敷 真次郎】
[中国]
 中国では煉瓦を塼(せん)と称し,その歴史は古く,日乾煉瓦は殷代の出土遺物があるほか,西周時代の文献に甓(へき)の名で見える。焼成した塼は戦国時代の宮殿に用いられており,漢代には数多くの塼造アーチ構造の墓が築かれ,その形状も中空の空心塼,床面に敷く文様を施した花塼,壁面を飾る大型の画像塼,(ほぞ)をつくり出した子母塼など多彩な類型が現れる。…

※「甓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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