訓詁形式の字書。中国,魏の張揖(ちようゆう)著。著者の〈上広雅表〉によれば,もともと上・中・下3巻の構成であったが,隋の曹憲が音釈を作ったとき10巻に分け,かつ隋の煬帝(ようだい)の諱(いみな),広を避けて《博雅》と呼んだため,以後《博雅》ともいわれた。〈雅〉は《爾雅》の意味で,〈広爾雅〉すなわち《爾雅》増補版たることを意図する。編分けも《爾雅》に従い,訓詁も〈A,B,C……はXなり〉という《爾雅》式だが,《爾雅》そのものを内に含み込んでいるわけではなく,重複はしない。注釈として清の王念孫の《広雅疏証》10巻が最もすぐれる。
執筆者:尾崎 雄二郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…一般に訓詁(くんこ)の書といわれ,その成立年代は明らかでないが,前漢の作といわれる。のち,この体例にならったものが多く,その最も早いものに魏の張揖(ちようゆう)の《広雅》がある。古語ではなくして,方言を整理収録したものに揚雄の《方言》がある。…
※「広雅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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