甘酒売(読み)あまざけうり

精選版 日本国語大辞典 「甘酒売」の意味・読み・例文・類語

あまざけ‐うり【甘酒売】

  1. 〘 名詞 〙 甘酒を売り歩くこと。また、その人。室町時代からあるが、広く庶民の飲み物として売られたのは近世に入ってからで、前の箱に茶碗、盆などを入れ、掛行灯(かけあんどん)をつるし、後ろの箱に甘酒の釜を据えて、天秤棒(てんびんぼう)でかついで行商した。《 季語・夏 》
    1. 甘酒売り〈守貞漫稿〉
      甘酒売り〈守貞漫稿〉
    2. [初出の実例]「仲間、さむき夜に使に出、むかふから、あま酒うり来る」(出典:咄本・座笑産(1773)あま酒)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の甘酒売の言及

【甘酒】より

…醸造は祝組(ほうりぐみ)・神元(じんがん)・杜氏(とうじ)の3者がいっしょに,境内の醸造庫でつくり,神前に供えたのち神輿(みこし)の渡御に加わり,渡御が終わったのちに一般参加者へふるまいが行われる。このように特定の日に飲むのが甘酒であったが,近世以降は都市を中心とした大きな神社や寺院の境内,門前などで甘酒を売る店ができたり,甘酒売が町を流して歩くようになり,ふだんでも飲むようになった。【坪井 洋文】
[甘酒売]
 〈甘い,甘い〉と呼売して歩いた甘酒売は,昭和初年ころまで東京の下町では冬の夜のかかせぬ景物であった。…

※「甘酒売」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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