生命の哲学(読み)せいめいのてつがく(その他表記)philosophy of life

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「生命の哲学」の意味・わかりやすい解説

生命の哲学
せいめいのてつがく
philosophy of life

生命の本質起源,未来についての哲学考察をいい生物学とは区別される。古くはアナクサゴラスエンペドクレス,荘子のような自然学的空想論もあったが,アリストテレス同種のものが同種の子を産む時点をエンテレケイアといい,のちの生命哲学のエンテレヒー概念の基礎を築いた。ラ・メトリの機械説,ダーウィンの進化論,ホールデンの全体説,ハンス・ドリーシュの新生気論,オパーリンの唯物説,テイヤール・ド・シャルダンの人間の霊的進化説などはいずれも生命の神秘を人間に焦点をあてて考えている生命の哲学である。 (→生の哲学 )

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世界大百科事典(旧版)内の生命の哲学の言及

【生の哲学】より

…日本にも明治40年代以来ベルグソンとオイケン,大正期以降ディルタイ,ジンメル,オルテガ・イ・ガセットなどが紹介された。訳語には1911年(明治44)以来〈生命哲学〉,大正期以降〈生命の哲学〉〈生活の哲学〉〈人生哲学〉があるが,〈生の哲学〉は少なくとも1914年(大正3)以来の訳語である。 ベルグソンは分析的・概念的把握ではなく直観によってのみ把握される生の真相を純粋な〈持続〉と呼び,生の持続の緊張の弛緩した状態が物質であり,内的な〈生の飛躍(エラン・ビタール)〉により進化が生じるとして世界の創造的進化を説くが,この生の概念には歴史性,社会性が希薄である。…

※「生命の哲学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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