最新 地学事典 「生命の起原」の解説
せいめいのきげん
生命の起原
origin of life
地球上に生命がどのように発生したかということ。A.I.Oparin(1936)が,地球の進化過程のある時期に物質発展の必然的結果として原始生命が出現したという,現代的理論を体系化した。彼は,初原的な有機物→生物という過程を主張し,次の3段階に分けた。1)原始地球でメタン・アンモニアの反応による最初の窒素誘導体の出現。2)簡単な有機物の重合によるタンパク質などのポリマーの形成。3)コアセルベート(液滴)の形成と物質代謝の出現。現代生物学は,すでに各種のエネルギーでタンパク質・核酸など生命に基本的な物質の素材となる分子やプロテノイド,コアセルベートなどの合成に成功し,彼の理論の正しさを証明した。生命の起原の研究は,天文学・惑星科学・有機化学・生化学・生物学・古生物学などの多くの分野の協力のもとに進められている学際科学である。最古の化石の証拠は35億年前のラン藻(シアノバクテリア)であるが,炭素の同位体の研究などから,生命の起原は38億年までさかのぼるともいわれている。
執筆者:秋山 雅彦
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

